| 黒麹菌とクエン酸(もろみ酢)について
醸造用麹には幾つかの種類ありますが、泡盛には黒麹を使います。
一般的に日本酒には黄麹、九州の焼酎には白麹、そして沖縄の珍味「豆腐よう」は紅麹を使います。これらの麹菌の中でも、黒麹菌だけが大量のクエン酸(有機酸)を産出します。
有機酸とは、動植物の生命活動において産出される酸のことで、COOH基(カルボキシル基)を一つ以上もっていることからカルボン酸とも言います。
有機酸(クエン酸、酢酸、リンゴ酸など)は、人体でも生成される有用な酸ですが、泡盛のもろみ酢に含まれる有機酸の80%以上がクエン酸です。
有機酸は食品のPHを下げ、微生物の増殖を抑制する作用をもっています。 高温多湿の沖縄で雑菌の繁殖が抑制され、アルコール発酵が護られているのは、このクエン酸のおかげだと言えます。
簡略 沖縄のサトウキビの歴史
沖縄のサトウキビは甘蔗(かんしょ)あるいは荻(おぎ)という。 沖縄方言のウージは、この荻が訛ったものである。 島ウージ、赤ウージ、ウージ畑等、日常的に使われる。
ただし、狭義の意味において「島荻(シマウージ)」とは、古い時代に中国から伝来した品種のひとつである。
中国におけるサトウキビの品種は多種に及ぶが、外形上で大別すれば、荻蔗、竹蔗、竿蔗、干蔗に分類される。 沖縄の島荻はこのうちの竹蔗に由来する。
ただし、ここで重要なのは、明治の初めころ、この島荻の芽に突然変異が発生し、それが読谷山種の成立として確認されていることである。
(当時の読谷山村、現読谷村において)この読谷山種は土質を選ばず、病害虫や干ばつ、台風に強い抵抗力を有していたので、沖縄における最適品種として奨励され、明治・大正から昭和初期まで長期間栽培され続けた。
ただし、低糖であった。一方、明治18年に小笠原種が導入されたが、自然災害に弱かったので、品種的には重要品種であるが作付面積は拡大せず、経済栽培としては消滅してしまった。
その後、大正期から昭和初期にかけて、台湾から導入されたPOJ系のいわゆるジャワ大茎種が急速に拡大し(全生産量の90%以上)終戦直後まで続いた(読谷山種、小笠原種共に現時点の「改良」品種から云えば製糖用品種としては既に見捨てられた品種であったが、健康食品素材としては視点が別である。
特に小笠原種は極めて興味深い種である。
高貴種(高糖悼)にして多汁かつ低繊維、しかも外皮がやわらかいので搾汁液の直接的利用に適する。
尚かつ、サッカラム属オフィシナラム・Lの一品種として古典的であり、原生種の特性を温存しているからである。
分蜜糖用の大規模(粗放)栽培には向かないが、健康食品としては有望であろう。今日、沖縄県のサトウキビ奨励品種は、昭和期に、当時としては画期的であった、NCo310(昭和33年)から始まり、F172(昭和63年)まで5品種、平成年に入り、F177(平成元年)からNi15(平成13年)まで9品種、合計14品種が設定されている。
今後とも、製糖、健康食品の両側面から沖縄のサトウキビ産業を大切にしたいものである。
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